金属3D積層造形技術とは

―金属3D積層造形技術とは「作れないものを造る技術」―

① 3D積層造形技術(Additive Manufacturing)による製品製造

Additive Manufacturing(以下、AM)は、対象となる製品・部品の3D CADデータを基にスライスデータを作成し、
1層毎に積層して立体物を造形する技術です。

① 3Dデータ(CAD)作成

② スライスデータに変換

③ 1層毎に積層


① 3Dデータ(CAD)作成

② スライスデータに変換

③ 1層毎に積層


1層分(約30~100μm)の金属粉末を敷く⇒スライスデータ通りに電子ビーム/レーザービームを照射し、金属粉末を溶融/凝固⇒造形ステージを1層分下げるという動作を繰り返し行う事で造形物を完成させます。

AMの利点

・複雑形状部品・製品の造形

AMは製品形状の自由度が高く、従来工法(鋳造・鍛造・機械加工 等)では不可能もしくは困難であった複雑形状部品・製品の造形を行う事ができます。1層毎に積層する為、接合部無しでの一体成型が可能です。
また、一体成型ができる事で従来工法では加工が困難であった鋼種でも造形が可能になります。


・歩留りの向上・加工費の削減

AMは素材(金属粉末)から直接製品を製造することが出来る為、余計な歩留り損を抑えることが出来ます。また、従来工法では必要であった組立や加工についても、AMでは一工程で完了できる為、費用削減が可能です。更に、製造工程において金型・鋳型を必要としない為、1品からの製造でもコストを抑えられ、サイズやデザインの調整も容易に行う事が可能です。


・不要な中間在庫の削減

AMに必要な材料は金属粉末のみであり、必要な設備も3Dプリンターのみである為、非常に短い生産ラインでの製造が可能であり、不要な半製品を持つ必要がありません。

②電子ビーム方式とレーザービーム方式の特徴比較

電子ビーム方式 レーザービーム方式
出 力 高い(3500W 程度) 低い(400W〜600W程度)
金属材料 高融点材料の対応が可能 高融点材は不可
積層厚 50~90μm 20~50μm
表面粗さ 劣る
スキャン速度 8,000m/s 7m/s
サポート材 簡単なサポートで対応可 しっかりとしたサポートが必要
電子ビーム方式
出 力 高い(3500W 程度)
金属材料 高融点材料の対応が可能
積層厚 50~90μm
表面粗さ 劣る
スキャン速度 8,000m/s
サポート材 簡単なサポートで対応可

レーザービーム方式
出 力 低い(400W〜600W程度)
金属材料 高融点材は不可
積層厚 20~50μm
表面粗さ
スキャン速度 7m/s
サポート材 しっかりとしたサポートが必要
電子ビーム方式は造形スピードが速く、サポート材も少なく済むため、コスト競争力に優れています。また、電子ビーム方式の装置での造形では、造形後の残留応力が殆ど発生せず、内部応力による歪みや亀裂も抑制されます。
レーザービーム方式は使用粉末の粒径が小さいため、製品の表面粗度に非常に優れており、微細構造品の造形に適しています。