VL-800シリーズ導入により計測技術のさらなる進化 ~金属積層造形物の高精度解析技術~

日本積層造形株式会社(以下「JAMPT」)では、このたび、キーエンス製「VL-800シリーズ」三次元測定機を新たに導入いたしました。すでに導入済のVR-6000シリーズと連携することで、より高度な計測・解析環境を構築し、製品品質の向上と開発効率の最大化を目指します。
はじめに ~VR-6000との連携で広がる可能性~
JAMPTではこれまで、微細形状の高精度測定を目的としてVR-6000を活用してまいりました。VR-6000は、顕微鏡レベルの高精細な画像取得に優れ、特に微小部品や複雑形状の解析において大きな成果を上げてきました。今回導入したVL-800シリーズは、360°全周スキャンとAI解析機能を備えた三次元測定機であり、VR-6000で取得した微細データとVL-800の広範囲スキャンデータを合成・解析することが可能です。
これにより、製品全体の形状把握から微細部の詳細解析まで、一貫したデジタル計測環境が整いました。
JAMPTではこれまで、微細形状の高精度測定を目的としてVR-6000を活用してまいりました。VR-6000は、顕微鏡レベルの高精細な画像取得に優れ、特に微小部品や複雑形状の解析において大きな成果を上げてきました。
今回導入したVL-800シリーズは、360°全周スキャンとAI解析機能を備えた三次元測定機であり、VR-6000で取得した微細データとVL-800の広範囲スキャンデータを合成・解析することが可能です。
これにより、製品全体の形状把握から微細部の詳細解析まで、一貫したデジタル計測環境が整いました。
VL-800の特長 ~誰でも高精度スキャンを実現~
VL-800シリーズは、AIによる自動位置合わせとデータ合成機能を搭載しており、対象物をステージに置いてワンクリックするだけで、色・形状を含めた高品質な3Dデータを取得できます。従来のようなマーカー貼付や複雑な手順は不要で、測定者のスキルに依存しない安定したデータ取得が可能です。
また、国家標準に基づく精度保証体系を備えており、幾何公差測定・断面解析・CAD比較など、設計・製造・品質管理の各工程において幅広く活用できます。
| 測定可能サイズ | Φ580×H200mm |
|---|---|
| 測定誤差 | ±10μm以内 |
〈活用シーン〉
・精密金属部品のリバースエンジニアリング
・CAD設計との寸法比較・断面評価
・品質保証レポート作成の効率化
国家標準にトレーサブルな測定精度
VL-800シリーズは、国家標準(JCSS)にトレーサブルな測定精度を実現している三次元測定機です。
これは、VL-800で取得される測定データが、日本の計量法に基づく校正体系(JCSS:Japan Calibration Service System)に準拠していることを意味します。JCSSは、国際的な標準(ISO/IEC 17025)に基づいて構築された日本の校正制度であり、測定器の精度を国家標準に結びつけることで、測定結果の信頼性と再現性を保証します。
VL-800では、専用のボールゲージやキャリブレーションボードを用いた校正が可能で、これらには校正証明書・検査成績書・トレーサビリティ体系図が添付されており、測定精度の裏付けが明確です。
このようなトレーサビリティの確保により、VL-800で取得したデータは、社内の品質管理はもちろん、顧客や第三者機関との技術的なやり取りにおいても信頼性の高い根拠資料として活用できます。特に、幾何公差測定やCAD比較、断面解析などの精密な評価業務において、国家標準に準拠した測定結果は大きな安心材料となります。
デジタルものづくりの加速へ
VL-800で取得したデータは、STEP・STL・OBJなど多様な形式で出力可能であり、3DプリンタやCNC加工機との連携もスムーズです。これにより、リバースエンジニアリングや試作開発の効率化が図られ、設計から製造までのサイクルを短縮することができます。
さらに、測定結果は自社フォーマットのExcelレポートとして自動出力できるため、報告書作成の工数削減にも貢献します。
まとめ
今後も、最先端の計測技術を積極的に取り入れながら、より高品質な製品づくりとお客様への価値提供に努めてまいります。金属積層造形をご検討されている方は、お問合せフォームよりお気軽にお問合せください