新しい金属積層用アルミニウム合金

JAMPTでは、東洋アルミニウム㈱、九州大学、千葉工業大学が開発した新しい金属積層用アルミニウム合金粉末に関し、特許実施契約に基づいて、3D造形による新たな用途への活用に取り組んでいます。

1. 高強度アルミ合金 <日本特許 6393008、海外特許出願中>

アルミニウム合金の金属積層法においては、Al-10%Si-0.4%Mg合金が広く知られています。

積層造形時に基盤プレートを予熱しない場合、450MPa程度強度を示しますが、同合金で歪みを生じないように造形するためには 積層造形時の基盤プレートの温度を200℃近くに保持する必要があり、強度は300MPa程度まで低下してしまいます。
(強度低下の理由として、200℃においてMg-Siの過時効組織が発生するためと考えられます)

Mnを添加した新開発合金では、歪みを生じることなく400~500MPa程度(7000系合金レベル)の高い引張強度を示すことが確認されています。造形に際しては、レーザー積層造形法を用い、従来行われるT6処理(530℃溶体化処理⇒水焼き入れ⇒焼き戻し)を行う必要はありません。

化学成分 (%)
Si 7
Mg 0.7
Fe ≦0.3
Mn 1.5
AI bal.

2. 耐熱合金 <日本特許 6393008 海外特許出願中>

鋳造用の耐熱アルミ合金としてJIS AC8A合金(Al-12%Si-1%Cu-1%Mg-1%Ni)が良く知られています。しかし、同合金を金属積層法で造形すると、むしろ従来知られている高温強度が得られません。

これを改善するため、遷移金属を添加した合金を用いることで、従来比1.5~2.0倍の値を示すことが確認されました。造形に際しては、レーザー積層造形法を用い、従来行われるT6処理(510℃溶体化処理⇒水焼き入れ⇒焼き戻し)を行う必要はありません。

化学成分 (%)
Si 10
Cu 1
Mg 1
Ni 1
Fe 2
AI bal.
300℃での引張強さと伸び