薄肉チタンパイプ

※上記は実製品の形状を簡素化したサンプルです

1.優れた特性のチタン材料の有効活用

一般的にチタン材料は軽量かつ高強度で、耐食性に優れ、厳しい使用条件にも耐えうる先端技術に欠かせない材料と言われています。チタン材料は航空機やロケットなどの部品に多く使用されていますが、加工技術の進歩とともに、原子力発電所や化学プラント、海洋建造物、建築屋根材、人工関節、ゴルフクラブなど、その用途と可能性は広がっています。一方、その優れた特性ゆえに、切削、プレス成形、溶接等が難しいとされ、難加工材に分類されています。金属3Dプリンターの活用により、その用途は更に広がる可能性があります。JAMPTでも、最先端 の切削加工技術をもつ協力企業様と共に、ニアネットシェイプまで金属3Dプリンターで造形し、2次加工を切削にて対応することで、F1のエンジンオイル配管等、実用品を含めた製品を製造してます。

2.3Dプリンターでの造形の難しさ

チタン材料は現在最も普及が進んでいるレーザー溶融方式の金属3Dプリンターで造形が可能ですが、応力除去のためのサポート材の配置と造形後の熱処理が必要になります。JAMPTでは、国内でも数少ない高出力の電子ビームを熱源とする3Dプリンター装置を用いて造形することで、より短時間で造形し、かつ事後の熱処理なしで対応することが可能です。一方、急速な溶融・凝固を行う3Dプリンターの造形プロセスでは、熱変形との闘いが常にあり、形状の変化に応じて入熱条件・溶融条件等を決定していく難しさがあり、JAMPTではこれまでの試行錯誤を通じて最適な造形条件を開発しています。

3.薄肉パイプ形状の実用化に至る苦労

特に極限のスピード性能と耐久性が求められるF1の世界で薄肉パイプ形状の製品を実用化するまでにはそれなりの時間と労力が必要でした。試験段階での成功率は当初は5割を下回り、テスト造形を繰り返して社内試験を合格した製品でもベンチテスト段階の耐圧試験で不合格となるケースもありました。最適な造形条件を探りながら、造形精度を高めるとともに社内試験内容も厳格化して、継続的なベンチテストの合格を経て、実機搭載可能な製品を出荷することに成功しました。エンジンオイル配管はF1エンジンの中でも設置場所が最後にぎりぎりのタイミングで決まる部品であり、左右2mmほどの設計空間をすり抜けるような形状に仕上げる必要がある上に、短納期が求められます。また形状は一度決まれば終わりではなく、期中に変更されるケースもあり、造形条件の調整力と応用力が求められました。安定供給体制を構築するまでに2年以上の年月を要しましたが、このような業界環境の中で、お客様にも鍛えられ、今やJAMPTとして誇れる技術分野となっています。

4.チタン材料の活用への期待

チタン材料を活用した難形状の活用分野はまだまだあると考えています。航空、宇宙、自動車等に限らず、皆様の身近な所にも可能性はあると考えています。ぜひ皆様にも難加工材のチタン合金を用いて自由な形状に加工したいというアイデアがございましたら、お気軽にご相談下さい。JAMPTとしてもぜひ皆様のご期待にお応えし、課題解決のお手伝いができればと考えております。